人柄のよいと感じるのはどういう人か。
表情や仕草から相手の気持ちを察知して会話のできるなどが思い浮かびます。普段からまわりがよく見えているということでしょうか。著者は、人柄のよい人は「意識の量」が多いと言っています。
この「意識の量」とはどういうものなのか、強化の仕方について解説したのが本書です。
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目次
読了後
意識の量の説明に、自分の司令で動く分身たちを「意識小僧」で例える部分が分かりやすい。
簡単に言うと 「意識の量=意識小僧の人数 × 質」 となる。
学生時代の話ですが、突然指名されるなど緊張感のある授業は理解度が高かったのを覚えています。
今思えば、いつ指名されるか分からない状況が「意識小僧」をフル稼働させていたのでしょう。
意識小僧が強化されれば、見えなかったことが見えるようなり新たな進歩につながります。
意識の量はどうやったら増えるのでしょうか。
著者は、「リスクを取らない人生では意識の量は増えていかない」と言っています。
すなわち、緊張感をもって行動したり、失敗などの経験から「気付き」が増えることで意識の量は増加していきます。
「意識の量」というのは、仕事だけにとどまらず日常生活においても大事なものです。
物事に行き詰まっている方には、良いヒントになるはずです。
目次&レバレッジメモ
第一章 社会力は「意識の量」で決まる
意識不足が自分の身の危険に直結するとき、私たちは防衛反応として、自然と意識の量を増やしている。逆に言えば、外に意識を配れない状態は生きていくのに不可欠な能力が衰えていることだ。
第二章 仕事をするとはどういうことか
勉強の目的は、社会でさまざまな課題に遭遇したとき、その自体をどう判断して、どういうプロセスで、どうやって解決したらいいかの判断に応用させていくためだ。だから、勉強ができるといっても、それを現実社会で多岐に応用していけなければ、本来は本末転倒なのだ。
第三章 求められる人になる「意識増量」レッスン
見ようと意識を働かせない限り、見えない人には一生見えない世界がある。
第四章 他者を受け入れるレッスン
一つのことに捉われて、思い詰めない。オール・オア・ナッシングの思考様式に陥らない。他の可能性を排除しない。
保留する。意識が一つのところに固着しないよう、フックに引っかけて置いておくことを心がける。それに対応していくのが社会経験を積むということだ。
第五章 自意識の罠から逃れよ
人の意識をトレースするというのは、人の意識に入り込む感覚を持つことである。その人の意識になってものを見る。その人が何を意識してやっているのかをたどることで、その人の視点、その人のワールドに沈潜する。
自分の中に他者の意識を入れ込むことは「意識の複線化」になる。大勢の人を住まわせることができたら、多様性を受容できる。心の中に占める自己への捉われのウエイトも自然と小さくなる。
第六章 「チーム・ジーニアス」の一員になる
仕事人としての信頼を獲得することは、良い人になろうとすることでもないし、自分の満足いく仕事をすることでもない。求められたことがきちんとできて、人に喜んでもらえること、人の脳内に「何かのときに役に立つ」チームの一員としてインプットされるようになることだ。
おすすめ度:★★★★☆
「意識の量」を増やせ! (光文社新書 522)