読書ノート

経済ってそういうことだったのか会議

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今回の一冊は、経済学者の竹中平蔵氏がメディアクリエイターの佐藤雅彦氏と対談形式で経済について広く浅く解説してくれる本です。経済って言葉は知っていました。意味も理解しているつもりでしたが、「今までは経済について何も分かっていなかったんだな」ということに気付かされる一冊になりました。学校の授業で習わなかったことばかりでした。

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身近だけど聞かれると・・・

  • 会社名の英語標記の「.Ltd」って
  • 応能負担と応益負担とは
  • ヨーロッパの貨幣統合によるメリット・デメリット
  • アメリカが国家交渉に慣れている理由

これらのことはニュースや新聞などで耳にしたりして身近な話です。いざ説明してと言われて不安な方もいると思います。私もその一人でした。それらの方は、本書を一読する価値はあると思います。なかでも「税金の話」は非常に面白く読めました。消費税に関しては以前より抵抗が少なくなったように感じます。(洗脳されただけかもしれませんが…)

対談形式

最初は竹中氏の解説が分かりやく感心していたのですが、途中からこの話の展開を作っているのは佐藤氏だということに気付きました。佐藤氏の問い掛けによって自分が理解していないことに気付かされました。この二人だからこそ完成した本だと思います。

おっさんチェック

どういう人に税金を払わせるべきかというときに、一つは払う能力のある人に払ってもらう、つまり能力に応じて払うという意味の「応能負担」という考え方。もう一つは、それを楽しんだ人、便益を受けた人が払う「応益負担」という考え方です。(竹中氏)(税金の話)

アメリカという国は、国家と国家の交渉というものにとても慣れているんです。なぜかというと、州がそれぞれの憲法を持っていますから、州と州の間で、日米間に見られるようなトラブルなんか、しょっちゅうあったわけです。それに対して、日本では県と県がトラブルを起こすなんていうことはあり得ませんね。アメリカは国内政治の中にすでに外交の要素が入っていて、それをいかに統合していくか、共通のルールを作るか、独立性をある程度認めるかなどを、一九世紀からやってきているのです。(竹中氏)(アメリカ経済)

日本は通過が円で統一されているから、地方間に大きな経済格差が出てきたときに、人が動いてしまったということですね。そう考えると、もし世界が通貨統合されたら途端に国家単位の過疎が起こってしまう(佐藤氏)(円・ドル・ユーロ)

資生堂がたとえば一〇だとすると、当時のカネボウは一ぐらいの売上しかなかったんですけれど、資生堂が春のキャンペーンで口紅をやると、カネボウも負けじと口紅をやるんですよ。秋にアイシャドウやると、カネボウもアイシャドウやるんです。そうすると一般の人には、一〇対一〇の会社に見えてしまうんです。一〇対一の売上しかないとは思わないんです。そして、その売上もだんだん、少なくとも一〇対三とか四になるんです。(竹中氏)(企業とビジネス)


経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
佐藤 雅彦 竹中 平蔵
日本経済新聞社
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